琴瑟

妹と、妹の彼氏が東京に2泊3日で遊びに来た。
兄たる私は2人のせっかくの旅行を邪魔しちゃ悪いなと思い、また例のごとく2人の世界に相伴するのも気まずそうだとも思ったので、どこかでちょっと落ち合ってお茶できればそれでいいやと考えていたのだが、「せっかくだし3人で遊ぼうよ、私たちもう4年近くも付き合ってるし、『2人きり』という状況にはこだわらないよ。3人で遊んだ方が楽しい」とお二方ともが言ってくれたので、2泊3日付きっきりで私も一緒に遊ぶことにした。

妹の彼氏とは既に面識があり、何度か会話を交わしたこともあったが、こうしてまとまった時間ずっと一緒にいるというのは初めてであった。私とは真逆のタイプの人間であり、良い人だとは知っていながら最初はやはり緊張したが、とても面白く、気が利いて、純朴なスポーツマンだった。私とは何一つ競合するところがない。そして私はすぐに彼のことを気に入ったし、彼もすぐに私のことを気に入ってくれたようである。

2泊3日は実に実に充実した日々だった。とても疲れたし、とても笑ったし、とても楽しかった。
2人と別れるのはとても寂しかった。最初の杞憂はどこへやら、である。
羽田空港で飛行機を待っている間、ふたりが「やっぱり、3人で遊べて良かった」と言ってくれたのが、私は本当に嬉しかった。そして、冬に私が帰省したときにまた3人で遊ぶ約束を交わした。

さらりと記したが、「3人で遊んだ方が楽しい」という、妹とその彼氏の台詞は、その関係が本物でなければきっと言えない言葉である。そして私は2泊3日という時間のなかで、1秒たりとも気まずさを感じることはなかった。ふたりの関係は掛け値無しの本物であった。互いが互いを愛し、知悉し、それなりの時間に裏打ちされた信頼を築き上げていた。だからこそ、私はそこに居ないように振る舞うことも、居なければ成立しないように振る舞うことも許されていた。それがどんなにかけがえのないものであるかを、今の私は知っている。

もう一つすごいなと感じたのは、互いが互いのためにSNSを辞めたことである。
facebookで近況を知り合えることで、互いに嫉妬し、喧嘩の火種になったから辞めたのだそうだ。
互いの極めて強い独占欲や嫉妬心のために、今の世代にとって非常に重要なツールをも捨てるというのは、そうそう出来ることではない。

2人の関係に心底惚れ惚れしつつ、しかし、軽い畏怖のようなものを覚えたこともまた事実である。
本物の関係とはここまで見事なものなのかということを目の当たりにして、ちょっと感覚が狂ってしまったような気がする。
きっと、「好きなのかなぁ、どうなのかなぁ」と思ってる時点で、もうそれは違うのだろう。
もっと自分の好みにこだわってみるのもありなのかもしれない。

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「本当の優しさ」「自分を好きになる」

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