fc2ブログ

二人だけの国

ここのところずっと、妙にもやもやしていて、何でなんだろうと考えていたのだけれど、その理由がこの数日間でするすると解けていった。今回はその2つある理由のうちの1つについて書く。

私には日頃良くつるんでくれる友達がいる。一人は男であり、一人は女である。
単純に仲がよく、色々遊びに行くだけではなく、互いに深いレベルでの悩み事の相談もするし、信頼関係も強いと自負している。

二人はかつて、付き合うかどうかという状況にあったのだが、色々あって破談になった。
そのときの二人がそれぞれどんな感情を抱いていたかということを、私は知っている。
女には彼氏ができ、男にもやがて彼女が出来た。
そうして二人は「良い友達」という枠組みの中におさまった。

ずっと「良い友達」だった二人は、しかしいつからか互いに恋愛感情を抱くようになっていた。
私は二人の気持ちを知っているただ一人の人間として、絶対にこの二人を結びつけたいと考え、それぞれに色々なことを言い、そして互いが互いにどう思っているかということも個別に告げた。

二人はそれぞれの恋人と別れ、めでたく付き合うこととなった。

私が何をしても、あるいは何もしなくても、二人は付き合うことになっていただろう。しかし少なからず私の影響で、それぞれの恋人だった人たちは突然に不幸に突き落とされることになったということ。
そして、3人一組で友達として成立していた関係は、そのうちの2人が恋人関係となることによって、否応なしに少なからず変わってしまうだろうということ。
この2つのことはあらかじめ予見していたことだったけれど、私は2人に(一瞬にしても、この先ずっとにしても)幸せになってほしかったし、その爆発的な幸せを作れる立場に他ならぬ自分がいることが嬉しかったので、2人を結びつける方向に動いた。
そしてその選択は間違っていなかったと思う。

今でも3人でよくつるんでいるが、しかし、やはり、この関係性は大きく変わったと言わざるを得ない。
わけあって2人の恋人関係は公にされておらず、この集団の中では私だけが知っている。
だから彼らは同じ組織の中にいるときは、あくまでも友達関係を偽装して接しているが、私と3人で居るときは、その偽装を解除して、恋人として振る舞っている。

そんなとき、私は単純に、途轍もない居心地の悪さを感じてしまうのだ。

2人は私のことを信頼してくれているし、私は恋人関係としての2人を応援している。
私はこの2人だけの世界に(限定的に)相伴することを許されている唯一の存在である。

だがそれでも、単純ないたたまれなさは拭えない。
2人が手を繋いでいたり、肉体関係を匂わせるような冗談を飛ばし合ったりしているのを見ると、目を背けたくなる。
見てはいけないものを見せられているような気分になってくる。何故かは分からない。そこにいるだけで2人の邪魔をしているような気分になるからであろうか。2人の過去のことをそれぞれ知悉しすぎているからであろうか。訳も分からず別れを告げられた人たちのことを思い出すからであろうか。それとも、この2人の"関係"は私にとってはあまりにリアルすぎるからであろうか。
(ことわっておくが、私はこの女の子にたいして恋愛感情を抱いたことはない。)

私が勝手に結びつけようと望んでそうしたのだから、いまさら2人にこんなもやもやを伝えることは出来ない。
だから私が執れる唯一の方策は、2人(1人1人からではなく、2人一組)からゆっくりと距離を取ることだけである。


ともあれ、私がいるときは、せめて友達として振る舞ってほしいな。

コメントの投稿

非公開コメント

No title

詳しい内容はわからないので無責任なこと書くかもしれませんが
そちらがキューピッド的立ち位置に落ち着いている

――というのを 仮に向こうも理解しているのであれば
距離をとろうとすると逆に相手方のケンカの種になるかもしれません。

ここは ある程度向こうにも自分がいてもいいような
空間を維持してもらえるように(生々しい冗談飛ばしているときなんかに)
打診してみるのもいいかもしれません。

――なんて 読んでて思いました。

No title

難しいですね。
距離を取るといっても、永遠に距離をとるというよりはあくまでも一時的に距離をおいたほうがいいかなって感じです。今2人は完全に熱々の時期なので

「そういうのはちょっと、自分がいるときは遠慮してほしい」という打診はするかもしれないです。ただ、多分、彼らもそもそもそれなりに遠慮してるつもりなのかなぁという気もしてきたり…。

アドバイスありがとうございます。
プロフィール

みかきもり

Author:みかきもり
30代・大学生。
10代の頃からのブログですが、それなりに長く続いています。
紀行文が好きです。

https://jasminite.blog.fc2.com/

最新記事
リンク
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
QRコード
QR