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『囮物語』

「絶対に叶わない夢なら、安心して追えるって意味なんでしょ?」
「妥当な夢が叶わなかったら、ショックだもんね……」 (西尾維新『囮物語』)



全く叶いそうもなかった目標が、ふいに現実味を帯びてくることがある。
漠然とした理想論ばかりが先行し、見えてくるのは他人の落ち度ばかり、そんな中続けてきたかりそめの努力……しかしながら努力はやはり努力だったのか、実のところ他の誰でもない自分自身が一番信用していなかった頑張りが実を結びかけることがある。

そのとき頭の中の抽象的な理想論は霧散し、とたんに具体的な問題が雪崩のように押し寄せてくる。
この世の中には、こんなに考えることがあったのかと半ば感心する。
本当のところ、大なり小なりの目標を達成しようとする一連の行為の中には、具体性しかないのだということになろうか。

絶対に達成できそうもなかった目標が、かりそめであったはずの努力によって急に「もしかしたら本当に叶っちゃうんじゃね?」といえる状況にまでなったとき、まさにそのときから、本当の「夢を追いかける」が始まるのかもしれない。
そこに甘美な幻想を見る余地などなく、対峙すべきはただただあまりに具体的な現実ばかり。


…っていうことを強く感じさせる出来事が最近あって(とても嬉しいことです)、そんな折に読んだのが西尾維新の『囮物語』だった、という話。

***

私は他の人と同じような目標を立てた。他の人は、最終的な形はどうあれそれを達成した・しようとしているはずなのだ。みんなが等し並みに夢見ることであろうから、私も時が来れば(自動的に)達成できるものだと思っていたが、それは違った。だから恐ろしい。ここまで一筋縄でいかないとは思わなかったし、こんなにエネルギーを必要とするとは想像だにしていなかった。

みんなこんなに現実に直面し、対策を講じ、度胸を発揮し、無理矢理でもそこに楽しみを見出し、悲しむことも厭わずに。「みんな」これを経験してきた・これからするのだ。
たとえば朝の駅の人並みを見るとき、ここにいる人のひとりひとりに、狂おしいほどの人生が凝縮され蠢いているということに、畏怖を感じずにはいられない。
そしてそれを今まで知らなかった自分が、なんと子供であったことか。

こんなチャンスは人生で、たとえあるにしても数回だろう。
この先何を頑張らなくても、ここは頑張らなければならない。具体性にのたうち回らなければならない。そしてそれを心の底から楽しまなければならない。

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