夏目漱石『こゝろ』

友達が読み返していたので僕も読み返すことにした。
高校時代に読んで以来だったので、6年ぶりくらい?2回目となる。

当時僕は好きな女の子のことしか考えていなかったので、読む本読む本全てその感情に結びつけて読んでいた記憶がある。
つまり、この著作で言えば恋に煩悶するKや先生を自分と照らし合わせていたりとか。

今はそういうこともなく、どこに共感したかと言えば第2章の「両親と私」。
東京から田舎に帰る学生が感じることは今も昔も変わらないのかもなぁと感じたりした。
一番楽しく読めたのは第1章の「先生と私」。

妻の過去に一点の曇りも残さないために、秘密と共に自死する先生の選択はやはり考えさせるものがある。
現在の価値観で言えば、罪を贖うためにこそ生き続けるべきなのではないかとか、愛する夫を失うことになってしまう妻はどうなるのかとか、そんなことを考える。もちろんそんなに簡単に割り切れる問題ではないのだ。罪人を誰が裁くのか、どのようにして裁くのか。つくづく永遠性を孕んだテーマだなと思う。

終わり方もモヤモヤする(もちろんそれが良いのだが)。父の臨死を前に、先生を心配して汽車に飛び乗ってしまう主人公の描写の後、遺書の全文が乗せられ、そのまま小説は終わる。結局先生は死んでしまったのか、父は死んでしまったのか、…。

世間はどうあろうともこの己は立派な人間だという信念が何処かにあったのです。それがKのために美事に破壊されてしまって、自分もあの叔父と同じ人間だと意識したと時、私は急にふらふらしました。


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