「翠星石」をラテン語訳

唐突になぜか、翠星石という名前をラテン語に訳してみたくなった。

ドイツに生まれた翠星石の本名(?)はJade Sternである。
ドイツ語のことは当然詳しく知らないが、名詞を2つならべたものであるらしい。

本来なら、JadeとSternをそれぞれラテン語に置き換えればいい、のだが…

Jadeとは翡翠のことである。
英語にもドイツ語にも、同じスペルで同じ意味を表すJadeという単語が存在する(発音はもちろん違う)。

翡翠には硬玉(jadeite)と軟玉(nephrite)の2種類が存在する(両者の科学的組成は全く異なっているらしい)が、ここではやはり前者の硬玉であろう。

そしてここで致命的な壁が行く手を阻む。
どうやら翡翠は古代ラテン世界には存在していなかったようなのである。
翡翠はもともと東方の宝石である。
古代ラテン世界に存在しない以上、当然それを指し示す単語もありはしない。

ここでふと、「では翠星石が生まれた当時に翡翠はドイツに伝来していたのだろうか?」という疑問が一瞬浮かんだが、Jadeというドイツ語の単語が存在している限りその当時には既にあったのだと考えるのが自然だろう。


ところでJadeは翡翠だとわかったが、Sternとは何であろうか?
僕は以前Stoneと似ているのでSternは石を表すドイツ語だと思っていた。
しかし実際ちゃんと調べてみるとSternは星(英:star、伊:stella)を示す単語であった。
ちなみにドイツ語で石はSteinというらしい。なんと紛らわしい。

こうなるとJade Sternは「翠の星」とでも訳せるのだが、果たして翠星石の「石」とは何を示しているのだろう?
なぜこの点に今まで疑問を抱かなかったのか不思議である。
ただ、意味は分からずとも、この独特な風合いの名前が僕は好きだ。


いずれにせよ、翡翠が無い以上はそれを「緑の石」とでも置き換えてLapis(石)Viridis(緑の)とし、
Stēlla Lapidis Viridis(緑の石の星)とでも訳そうかとも考えたが、やはり「緑」と「翠」では―――あくまで僕自身の言葉に対する感覚だけれども―――天と地ほどの違いがある(単純にそれらがそれぞれ指す色も違うし、翠という単語に含まれる透明感が緑という単語には無い)し、したがってその訳では翠星石とはならないであろう…というのが結論。

ちなみにwikipediaによると、「翠は本来、カワセミの羽根の色をさす」そうだ。
僕も何度かカワセミを生で見たことがあるが、あれは本当に美しい鳥だ。
カワセミの羽根の色は藍緑色、つまりアクアマリンである。
ちなみに宝石としてのアクアマリンを調べていたら「青色のベリル」とか出てきてちょっとワロタ
この名前もラテン語由来みたいなので、本当はアクアマリーネとでも発音するのだろうけれども。

それはさておき、もしかしたら近代ラテン語辞書なるものがあって、それにはきっと「翡翠」にもちゃんと何かしらのラテン語の単語が当てられているかもしれない。しかし、なんとなく近代ラテン語って、…うーんって感じが、ね。


しかし、日本語を他の言語に訳すという行為は、他の言語についての造詣が深くなければならないのは言うまでもないが、日本語に対する深い理解も大きく必要となってくるということもまた、改めて認識することが出来た。


ちなみに今回はこのサイトに大きくお世話になった。
http://en.wiktionary.org/wiki/Wiktionary:Main_Page
ラテン語の単語をぶち込んだだけでそれの性数格まで出てくるし、ラテン語に限らずドイツ語や英語、イタリア語などを網羅していてすごく感動してしまった。
ちなみに日本語版もあるがこれは語源の項目もないし、内容もあまり充実していないように見える。英語版おすすめ。

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語学の知識は無いから的外れかもしんないけど、スター効果の出たエメラルドとかその辺かもね。
翡翠と翠玉って若干似てるじゃん?

ラテン語辞典で調べてみたら翡翠はsmaragdusと出てきたんだけど、これはまさにemerald(翠玉)の語源だそうです
翡翠と翠玉を混同してるね
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