『アナと雪の女王』その2

映画館に観にいった『アナと雪の女王』(http://metroaqua.blog52.fc2.com/blog-entry-936.html)を、今日DVDを借りてもう一度見直してみた。

映画館に観に行ったときの記事ではネタバレが怖かったので(一応)内容には踏み込んでいないのだが、『アナ雪』にはそれまでのディズニー映画にはないような奥行きがある。

クライマックスのシーンで、アナが完全に凍ってしまった後、エルサがアナに抱きつくことでアナが復活する、というシーンがある。
あのシーンを映画館で観て私は、「ああ、エルサのアナに対する愛が、アナの心を溶かしたのだ」と解釈した。そして、「この作品をつくった人は、男女間の愛ではなく兄弟愛(姉妹愛)こそが『真実の愛』だと言いたかったのだな」というように読んだ。

そして今回DVDで注意深く観てみると、それは違うのだなと思った。
オラフが暖炉で、自分の身体が溶けるのも厭わずにアナのために薪をくべるシーンで、こういう台詞がある。

「愛っていうのは、自分より人のことを大切におもうことだよ」
(原文: Love is putting someone else's need before yours.)

これは私自身ほんとーにその通りだなと思うのだがそれはさておき、このオラフの愛についての定義;つまり、「自己犠牲の愛」というものが、この作品で主張されている「真実の愛」であることは間違いない。

それで、「凍った心を溶かせるのは、真実の愛だけなのだ」というトロールの台詞を踏まえれば、クリストフやオラフはまさにこの真実の愛をもった者たちである。

そして、アナが身体ごと凍ったシーンで、クリストフがアナに触れる前にエルサがアナに抱きついている。

したがって、もし真実の愛を持ったクリストフが先にアナに触れていれば、アナはやっぱり復活していたのだろうし、もしかしたらオラフがアナに触れていても、アナは復活したのだろう、と私は考えた。

だから、アナ雪の作者はきっと、「男女間の愛<兄弟愛」と言いたかったわけではなくて、「真実の愛は男女間の愛に限らず、兄弟間でも成立する。愛の形は色々あるのだ」と言いたかったのだなと思った。


私自身はこの解釈に満足したのだが、その5分後くらいに、「[映画][アニメ]アナの魔法を解いたのはだれか?「アナと雪の女王」」(http://d.hatena.ne.jp/chili_dog/20140528)という記事を見つけて、こちらの解釈の方が正しいなと思った。

そもそもエルサがアナに触れたからアナが復活したわけじゃなくて、自分が完全に凍ってしまう・死んでしまうのも省みずに殺されそうなエルサを救おうとしたという行為にこそ「真実の愛(=本作では、自己犠牲の愛)」があり、そのアナ自身のもつ真実の愛がアナの心を溶かしたのだ、ということだろう。

先述のトロールの台詞のあとで、「真実の愛…?」「大好きな人のキスじゃないの?」という会話が続くので、アナやクリストフ、果ては観客も勘違いしてしまったのではないだろうか。そもそも、エルサはアナにキスしているわけではない。

エルサのアナに対する愛情ではなく、アナのエルサに対する愛情こそがアナの心を溶かしたということを踏まえれば、アナ雪の言いたかったことは「愛っていうのは自分より人のことを大切におもうことだよ」(自分より相手を優先して行動すること)というオラフの台詞そのまんまであろう。そこに関係の形式(親子、兄弟、友達、恋人、他人)は問われない…というところまで読み取るのは踏み込みすぎだろうか。

エルサのアナに対する自己犠牲(遊びたい気持ちを抑えて部屋にひきこもり、アナを傷つけないようにする)、オラフのアナに対する自己犠牲(暖炉など)、クリストフのアナに対する自己犠牲(自分の想いを封じ込めてハンスにアナを託す)などなど、ありとあらゆる「相手を優先する」形が劇中に登場しているので、私はそこまで踏み込んでみてもいいのかなぁと感じている。


***

もう1つ細かい点では、トロールに面会する前後で、クリストフのアナに対する気持ちが変化していることを如実に示すシーンがある。
トロールに面会する直前、寒がっているアナにたいしてクリストフは何かしようとするけれど、何もしない。単に面倒だったとかじゃなくて、多分余計なことをして嫌われるのがいやだったのかなと思う。
面会した直後、一気に弱ってしまったアナに、クリストフは躊躇なく自分の帽子をかぶせて、アナの寒さを緩和させようとする。
ここを分水嶺として、クリストフのアナに対する想いというのは本物になったのだろう。

***

『アナと雪の女王』は何も考えずに観ても面白い。映像は綺麗だし、オラフは楽しいし、戦闘シーンは見応えあるし。
でも深入りして、色々考えながら観ても面白い。すっごく良い映画だと思う。

なんというか、私もそういう人間でありたいというか、
誰かにとって何も考えずに接してても単純に楽しい人間でありながら、深入りされても奥行きを見せられるような人間でありたいと思った。

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