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物をこそ

びっくりした話。

なんとなく、気に入ったフレーズが浮かぶことがある。

私は「キャメル」という単語を知らず、検索してそれが色の名前であることを知った。
そこでふと、「上品なキャメルのコート」というフレーズを思いついた。
そのフレーズから止め処なく想起される様々な憧憬は、実に愉快なものであった。

それから数週間が経ち、私は暇つぶしに村上春樹の『ノルウェイの森』を手にとった。
私はこの本が好きで、折に触れて読み返している。
序盤の数ページを手繰っていると、そこに一字一句も違わない、「上品なキャメルのコート」というフレーズが出てきた。
40近い「僕」が、直子のことを思い出そうとしているシーンである。

私はこのフレーズに注意を払ったことは一度も無かった(もしそうであったなら、私は「キャメル」という単語をこの段階で調べているはずだから)。
まして、記憶に留めているなんてことは、あり得ないはずである。
それにもかかわらず、私は自分が思いついたはずのこのフレーズが、明らかにこの『ノルウェイの森』の一節に由来していることを直感的に理解した。

なんとなく読んだ、「目でなぞった」だけの箇所が、無意識のうちに私の記憶庫に格納されていたというだけでも驚嘆に値することだが、しかもそれを、「『ノルウェイの森』で見た」という情報を忘れたままに、ふとした折に思いつくようにして思い出し、しかもそこに色々な大事なものが結びつくというのは、まさに不思議としか言いようがない。

私はこういう現象が巷に溢れているのを知識として知っているし、経験も何度かある。
遠藤周作もどっかで似たようなことを言っていた。
たまにアーティストが「曲をぱくった」と言われるのは、意図してぱくっているわけではなく、たまたまどこかで聞いたメロディを「思いついた」と錯覚して曲にしてしまうからであろう。
しかし、流石に今回はびっくりした。


「思い出す」と「思いつく」の不思議な関係。

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